不動産屋をやっていると「決まって良く言われる事」が多々あります。「儲かってるんでしょ?」とか「宝くじでも当たったら買います」なんですが、それらと並んで良く言われる事がこちら。
「他に物件ないですか?」
ホームページの取扱中物件をご覧になった方や、実際に物件を「ご紹介した後」などに良く言われます。しかしこの言葉、不動産屋はガックリきます。というのは、「今ある物件じゃダメです」と言われているに等しいから。
要するに「あー、お客さんをガックリさせちゃったなあ」と思って、ガックリ来るんです。
とはいえ。
「他の物件」と言われても、まだお見せできる段階じゃないからオモテに出してないわけで、それを見せてガックリさせるのもイヤなものです。
なので「いやー、他には無いですねえ・・・」という答えになってしまいます。たとえ『実は他にあっても』です。結構正直者の私も、こういう時は嘘を付いてしまうという・・・
ただ、「他に無いですか?」という発言の裏には「もっと良い物件ないですか?」という含みがあると思うんですよ。なので私としては「いやー、これ以上(現時点での良い物件)は、無いですねえ・・・」と答えるようにしているわけです。
実際には、不動産屋には24時間365日、常に新しい不動産情報が入ってきていますので、たまたまのタイミングで「良い物件情報」がある時はあります。ありますが・・・
そういった情報はどうしても「既に信頼関係が構築されている方」に優先的に流れるようになっています。具体的に言えば、以前からお付き合いのある方とか、「次こんなの出たら買いますから」と言って下さっている方とかです。
「嘘つきだ!えこひいきだ!」と思います?でもこれはトランプの『切り札』みたいなモンだと思っていただきたいんですよ。
『切り札』ってのは『これを出せば勝負が決まるな』。というカードです。しかしそこで大事になって来るのが
『いつ・どこで・誰に出すか』
です。不動産屋はこの切り札を後生大事に抱えています。「ここだ!」というタイミングで使う為に。
そうじゃないと不動産屋なんて、すぐ潰れますよ。信頼と情報こそが不動産屋最大の武器です。武器無しで戦うなんて出来ません。
昨晩『ファイアーエムブレム』の話を書いたからか、今朝はそんな事を思った次第です。てことで本日も、頑張って戦いましょう!