昨日、お客さんから日本酒を頂戴してしまいました。誠にありがとうございます!
品目を読むと満寿泉の『貴醸酒』と書いてあります。私は日本酒の事も良く知りませんが、薫り高く、ふくよかで、清冽な感じのするお酒でした。
・・・
「お前、(断酒中のくせに)毎日呑んどるやん!」と思ったあなた。何度でも言いましょう。「人から頂いた酒は酒では無い」のです。
さて。
日本酒をいただきながら思ったのですが、日本酒と『桝』って合いますよね。『桝酒』などと言われますが、木の香りが日本酒の香りとあいまって幸せな気分になります。
高岡市ですからね。錫の酒器も良いんですが、私は個人的には『杉』とか『竹』などといった『自然素材の』酒器が好きです。自宅では「その器、誰が洗うねん!」問題が勃発しますから、自分では持ってませんけどね。
それにしても『お酒と杉』というのは切っても切れない関係です。その辺は本題では無いので、気になる方は別ページにてご確認いただきたいのですが、本日の本題はこれです。
「何故ランド・プランはリフォームの時に”杉板フロアー”を使うのか?」
杉板フロア。杉の無垢材です。最近色々使ってます。プレミアム中古住宅の廊下とか、和室とか、弊社のバックオフィスも杉の無垢材にしました。何故か?
と、その前に。杉板って、嫌いな方からはメチャクチャ嫌われている部材なんですよ。理由としては大体2つ。
1.和風っぽい
2.キズが付きやすい
1については、何となく分かりますよね?杉という木材は古来、日本の建築で山ほど使われてきました。ヒノキとかケヤキなんかも良く使われてますが、やっぱり一番多いのは杉じゃないでしょうか。「ありふれた材」として数多くの日本建築に使われてますので、どうしても『和風っぽい』というイメージを避ける事は出来ないと思います。
2が問題なんですが、杉はあらゆる木材の中で「めちゃくちゃ柔らかい」という特性を持っています。つまりは「キズが付きやすい」。そして水にも弱く汚れが染み込みやすい。なので、住宅に全くキズを付けたくない方・汚したくない方にとっては大変恐ろしい材料と言えるわけです。
しかし、それでも弊社では杉の無垢材を多用します。何故か?
それは・・・
「暖かいから」です。杉の無垢材は温かい!これに慣れると最近の冷たい『フローリング』はガマン出来ません。私はイヤ。私にとっては見た目の美しさよりも『住む人の心地よさ』の方が重要なのです。
で、そんな事を考えながらネットを見てますと、同じ意見で『床板は杉材しか使わない』というページを発見しました。
この中で私が最も感銘を受けたのが以下の文章。
「そもそも床っていつから、汚れちゃいけない、傷がついちゃいけないものになったんでしょうか。昔の日本建築の床のほとんどが畳か板間、汚れるし傷もつくものでできていたはずです。それを手入れしながら使いこなしてきたのが日本人です。」
その通り!と私は膝を打ちました。
『○○してはいけない』という強迫観念は、神経質になり過ぎると、人自身を傷つけてしまいます。それでは本末転倒になってしまうんですよ。
住宅は人の為にあるモノであり、住宅の為に人があるのではありません。そんなわけで、弊社では『杉板』を熱くお薦め致します。
ちなみに。
私が「人からいただいた酒は酒じゃない!」などと嘯いて堂々と呑んでるのも「酒を呑まない」という取り決めを突き詰めすぎると、却って体に良くないと思っているからです。
もっと自分の体をいたわって、大らかに生きましょうよ!