これも『今さら』案件でしょうが、数年前に話題になった本『人新世の資本論』を読みました。漫画ばっかり読んでるわけじゃないんですよ。
内容の方は・・・
独特の言葉が多くて難しい。難しいんですが、「確かになあ」と思う所が多々あり。「資本主義ってのも、大分問題が多いよなあ」とは思ってしまいます。
不動産屋なんて、資本主義あってこその仕事なんですけどね。資本主義じゃなくなったら私の仕事はどうなるんだろう?と心配にはなります。
しかしこれだけ世界の多方面に渡って『資本主義社会のしわ寄せ』が生じていると「資本主義の限界も近いのでは?」とか思ってしまいます。
「近いのでは?」と言いつつ、これで200年位?続いているわけで、そう簡単には終わらないと思いますが、「これで万事ok!」というシロモノでもありませんよね?
本の話に戻ると、途中から『マルクス』が大きな存在感を放って行くんですが、マルクスって拒否反応ないですか?少なくとも私にはあります。
『ベルリンの壁崩壊』とか『ソ連解体』とかを子供の頃にリアルタイムで見ていたからだと思うんですが、どうしても『失敗した人でしょ?』という意識が強いんですよね。
ただ、この本を読んで『マルクス本来の思想』と『実際の運用』には乖離があったので、マルクス=失敗という図式は当てはまらないと言う事は分かりましたが。
私の仕事で言うと。
不動産業という仕事は、基本的に『開発』を進めていく仕事です。分かりやすくザックリ言えば、山を切り開いて宅地にしたり、田んぼを潰して宅地にしたり、古い街を再開発して綺麗な街にするとかです。
どんどん開発する事で利潤を上げ、会社の成長と社会の成長を進めていくわけですが、これは、この本の重大なキーワードと真逆の考え方と言えます。
この本の重大なキーワード、それが
『脱・成長』です。
開発し、利潤を上げ、それで更に成長を図る。その繰り返しで人々の利便・快適さ・幸せを叶えていくのが資本主義(と私は解釈している)んですが、果たして私たちはそれで幸せを感じているんでしょうか?
と、書いてて思いましたが、これは一種の『解脱』と同じような感覚ですね。成長の輪廻を繰り返しても、結局いつまでもゴールに辿り着けないのでは?どこかでその輪廻から抜け出さなければならないのでは?
・・・
話が抹香臭くなるのと、話がドンドン長くなるのでこの辺でやめておきますが、脱・成長というのは私も大事な考え方だと思ってます。
『更に良いモノを得よう!』というよりも『今あるモノを大切にしよう!』という考え方ですね。
だから私は『中古住宅』に特化した仕事をしているんです。
という、結局最後は自社の宣伝でした。これぞ
ザ・資本主義
ですな。