先日、とある女性から住宅売却に関するご相談がありました。具体的には『新居に入って2か月になるんですが、もう耐えきれません。今の家を売って、ちゃんとした家を建て直したいんです!』というご相談でした。
弊社で購入されたわけではありません。某住宅メーカーさんを通じて土地を購入し、その上で注文住宅を建てられたんです。
つまり。
土地購入+新築建設で、数千万円のおカネが掛かっている物件です。
という案件なんですが、こういったケースはままあります。あなたも見られた事ないでしょうか?新築まもなくで売られているキレイな住宅を。
もちろんこれは『思い描いていたのと全然違う!』という、今回のようなケースばかりではなく、ご家族事情やお勤め先の関係など色んなケースがありますので、全部が全部『もう耐えきれない!』という話ではありません。
『すごく気に入ってるんだけど、泣く泣く手放さないといけなくなった』というケースも当然にあります。
とにかく色んなケースがあるんですよ。あるんですが、個人情報の観点から個別の話は出来ませんので、後は一般論を書きます。
我々人間は『こうしよう!』と思っても、結構『後になって良く考えてみると』気持ちが揺れてしまう生き物です。ご飯を食べに行ってもそうでしょう?パスタを注文した後にメニュー表を見て『ハンバーグドリアめちゃ旨そうやん!こっちにしとけば良かった!』というような事が。
ただ。
ご飯の場合は必殺技があるから良いんですよ。必殺技とは何か?
同伴者の方に『ちょっと分けて!』と頭を下げるという技です。最初に料理が届いた時に「こんだけ上げるからちょっと頂戴!」とお願いするんです。つまり『トレードに出す』わけですね。これで食べ物の後悔は大分軽減されます。
『これは私が注文した料理だから、私だけで食べる!』という食に厳しい同伴者の場合は使えませんが。
一人で食べている場合はどうすんの?
これには『後日に期待』という必殺技があります。今回の料理は今回の料理で美味しくいただいて、メニューに載っていた『もっと美味しそうな料理』は後日の楽しみにとっておくという技です。
旅行先で『今日で帰らないといけない』場合は使えませんが。
今回私が何を言いたいのかと言うと。料理は毎日食べるものなので、『変なもの注文してしまったな』と思ってもその日一日の後悔だけで済みます。翌日注文し直せば良いわけですからね。しかし、家はそうではないという事です。
料理のように簡単に『トレードに出す』わけにもいかず、『まあ、注文してしまったものは仕方ない。後日に期待だな』というわけにもいきません。生活の拠点としてしまっている以上、不満があっても『現実としてそこに住み続けなければならない』という事になります。逃げ場が無いんです。だからこそ『もう耐えきれない!』という事になるんです。
では、どうすればこの『後悔』を避けられるのか?という事ですが。後悔は『後になって悔やむから』後悔なのであって、前もって避ける事は困難です。ほぼ不可能です。
しかし、家づくりに関する後悔の『主たる原因』は分かっています。
家づくりの後悔として私が常々思っているのが『業者とお客さんのコミュニケーション不足』です。ここですれ違いが起きている場合がめちゃくちゃ多い。そして、これは全て我々業者側の責任です。
お客さんは全ての要望を口に出しているわけではありません。それは『頭で思い描いている形を上手く言語化できない』という事もありますし『こんな事言っていいんだろうか・・・?』という(業者に対する)遠慮もあります。『その時は全然気にもしていなかったんだけど、今はすごく気になるんです!』という潜在的・無意識的な想いもあります。
『どっちがいいんだろう・・・?こっちかな?でもやっぱり、あっちかも・・・』と、揺れる想いを持ち続けるものなんですよ。そんな『断固たる決意で』家づくりが出来る人などめちゃくちゃ少数です。
色々と悩み、迷い、揺れる想いをいかに汲み取れるか?これこそが『業者としての腕の見せ所』です。しかし、全ての業者がそのような『プロフェッショナル』というわけでもありません。『この人、何回言っても分かってくれないな!』とか『この人の辞書には臨機応変という文字は無いのかな?』という人もいます。
そう言う場合は!
『担当者を変えて貰う』のが一番です。なんせ、その段階(イメージを共有する段階)でボタンの掛け違いがあると、結局最後までずっとズレ続けるモンだからです。どこかで勝手に『イイ感じに軌道修正される』事なんかありません。
結論。
家を建てる時は
『あなたの揺れる気持ち(潜在的な気持ちまで)をしっかり汲み取ってくれる、心から信頼出来るパートナー』と建てて下さいませ。
『担当者変えて下さい』なんて言いにくい?確かに。
しかし、担当者にとっては『数多くある案件の一つ』でしょうが、あなたの家はあなただけのものです。そこは安西先生ばりの『断固たる決意で』勇気を持って伝える事が必要と思いますよ!