ちょっと相談がありましたので、不動産の割賦販売・賃貸借契約について書きます。
まず。『不動産の割賦販売ってあるの?』と思いませんか?あるんですよ。でも、あんまり聞いた事ないですよね?それもそのはず。不動産業者である私でも16年間一度もやった事がない契約方式。それが不動産の割賦販売です。
割賦販売というのはあれですよ。通信販売とかで良くあるでしょう?『今なら金利負担なし!3,000円の12回払いでok!』みたいなのが。あれです。要は商品(不動産含む)を『分割で支払って』買う方式ですね。
では、不動産の賃貸借契約とは何か?
こちらはご存知の通り、不動産を購入するのではなく『賃料を支払って』借りる方式です。
で、上の二つを比べると。『買う』のと『借りる』という違いがあるのがお分かりいただけるかと思います。
では。
不動産の割賦販売と賃貸借契約の共通点は?と聞かれるとちょっと難しいかも知れません。どう思われます?
さっさと答えを書きますが、割賦販売と賃貸借契約は『一定期間関係性が続く』という点にあります。これが『通常の売買』なら『売ります&買います』という一時点の取引で関係性は終了です。
もちろん、『とんでもない不良品を掴まされた!交換しろ!』とか『お金は一応払って貰ったけど足りなかった!ちゃんと払え!』とかでドロ沼のトラブル関係が長く続く可能性もあるにはあるんですが、基本的には『売る・買う』という一時点で取引終了です。
しかし。
割賦販売や賃貸借契約はその一時点で関係性が終わるのではなく、『取引関係がある程度続く』んです。ここが大きなポイントです。
で、ここで何が問題になるかというと。
『取引関係が長く続くと、それに比例してやっぱりトラブルは起こりがち』という事があります。割賦販売なら『割賦金を払って貰えない』、賃貸借契約なら『家賃を払って貰えない』などです。
では、そのトラブルをどう防げば良いのか?
これもさっさと答えを書きますが、完璧に防ぐ方法はありません。担保を取っていようと、人的保証を取っていようと、指切りげんまんしようと、完璧にトラブルを防ぐ事は出来ません。
そりゃもちろん。
適当な口約束をするだけでなく、取り決めを書面化し、相手の勤務先や親族友人知人関係、保有資産や預金口座などを調べておく事は有効です。定期的な収入が無いと継続的な支払いは出来ませんし、約束が履行されない時に「どこから債権を回収するか?」は事前に押さえておくべきだからです。
その辺はサラ金時代、散々やってきましたからね。そういった事前調査の重要性は身に染みて分かっている積りです。
とはいえ・・・
それで完璧か?というと、無理です。相手のある事ですからね。相手に『最後までちゃんと払う気が無ければ』やっぱりトラブルになります。
結局。一番大事なのは。
『最後までちゃんと払う気がある』ちゃんとした人を相手にするという事でしょうね。全ては『人』です。
しょーもない結論ですが、これが真実です。