先日。某金融機関の方が来社されまして『住宅ローンの新商品』のパンフレットを置いていかれました。
詳細は省きますが、借入可能額なんと『年収の10倍までok』という超破格の住宅ローン。
住宅ローンと言えば、二昔前は『年収の5倍まで』などと言われてました。その後は『6倍』となり、『場合によっては7倍』となり、今回『10倍』が出てきました。
年収400万円なら4000万円まで。年収600万円なら6000万円までokって事です。
なんと・・・
私からすると恐ろし過ぎるこのローン。誕生した一つの理由としては実質賃金の低下が挙げられるでしょう。
現在は少しずつ上がってきて所もあるそう(実に羨ましい)ですが、『世の中の物価と比較すると』中々上がっていないという事実があります。
もう一つの理由としては『建築費の高騰』があります。家を建てるのも一昔前と比べると『1.2~1.5倍』は余裕で掛かるそうです(色んな住宅メーカー担当者の話を総合すると)。
となると。
『年収の5倍程度ではまともな家が建たない』という事になるんだろうと思います。そういった事を背景にした住宅ローンなんだろうなと。
とはいえ。
例えば年収400万円で4000万円借りると、毎月の返済は約12.2万円(金利1.5% 35年ローン)。
毎月12万円ですよ。ちゃんと払えます?
年収400万円だと、毎月の手取り給与は多分27万円位でしょうか。27万円貰って、12万円ローンを払って、残り15万円で水道光熱費・食費・通信費・自動車ローン・教育費などを賄わないといけません。
各種保険や、将来に備えた貯蓄(又は投資)なども。
いけますかね?
ここで問題になって来るのが『返済比率』でして、これは『入ってきた収入に対する住宅ローンの返済割合』を指すものなんですが、先程の計算だと44%になります(ローン12万円÷毎月の手取り27万円)。
44%か・・・
ちなみに私はご存知『元サラ金』社員なわけですが、その時の不動産担保ローンではマックス『55%』までは融資okでした。
しかしこれは、『入ってきたおカネの半分以上を返済に充てないといけない』って事なんですよ。楽しいです?
楽しくないでしょう?
ちなみに、一般的に返済比率は『20%以下』が望ましいと言われています。私も、そう思っています。
手取り27万円なら、27万円×20%=54,000円です。これなら住宅ローンを払っても手元に20万円以上残ります。全然いけますよね。
ちなみに、毎月54,000円程度の支払いに抑える時は『2000万円程度の住宅ローン』に留めておく必要があります。
とまあ、そんな理由で弊社では2000万円前後の物件を扱う事が多いのです。
以上、『こう見えて、結構色々考えて仕事しているんですよ』というアピールでした。
借り過ぎには注意して下さいませ。住宅ローンを組む時も、色々真剣に考えていただければ幸いです。
2 件の投稿
住宅ローンの返済比率は20%が望ましい。。
私自身、住宅FPとしてお客さまから相談を受けることがあるので、今回のお話もとても参考になりました!^_^
森井さん、コメントありがとうございます!
『25%位でも全然余裕でしょ』とか『実際には30%位になるでしょ』とか『35%以下ならまあ問題ないでしょ』などとも言われますが、20%程度なら『何か突発的な事があっても』無理せず対応出来るんじゃないかと思っております(過去の経験上)。
問題は『突発的な事』なんですよ。その時に『精神的に過度な重圧を受けずに』リカバリーできるかどうか。『精神的に』という所がポイントです。精神が崩れると、家計も家庭も崩れてしまいますからね。
FPも不動産屋も『本心から』お客さんの人生を考えるのが仕事です。お互いに、精一杯やっていきましょう!