木造住宅は30年が寿命。という俗説がまことしやかに語られています。
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今はそうでも無いですかね?わが国も少しずつ『中古住宅リテラシー』が成熟してきていますので、未だに
『住宅は30年で終わりだ!』
と本気で思っている人はいないと信じていますが、やっぱり何割かの方は未だにそう思っていらっしゃる事でしょう。
国もね。木造住宅の耐用年数は22年と定めてますので、この辺にも誤解を生んでしまう原因があります。これはあくまでも『税金の計算』を行う為に設定している数字であって、実際にダメになる年数ではありません。
じゃあ木造住宅は何年使えるの?というご質問に対しては、『メンテナンス次第です!』というのが今までの回答セオリーだったんですが、私は今、違う考えを持っています。
住宅の耐用年数、それは
『住む人次第』です。さっさと結論を書きますが、何故住宅は30年が寿命かと言いますと、30年で『建物が経年変化してダメになる』という事ではなく、30年経つと
世代が変わるという事なのです。30年という数字は人間にとっての『一世代』です。ここは分かりやすく具体的なケースで考えてみましょう。
ある男性が35歳で家を持ったとします。夫35歳、妻35歳、子供が5歳と2歳。四人暮らし。
30年後。
夫婦ともに65歳。大体の場合は定年退職の年です。子供は35歳と32歳。恐らくもう同居はしていないでしょう。都会に移住しているか、地元にいても、自身の家を持っているか。
家には夫婦のみ。ここで夫婦は考えます。
「二人だけだし、こんなにたくさん部屋は使わないよね」
あるいは
「学校や職場の事を考えなくてもいいし、もっと自分達に適した所に住みたいね」など。
結果、建て替えなり住み替えなりを行うわけですが、これは『建物が劣化したから』というわけではありませんよね?そうではなくて『ライフスタイルが変わったから』というのが大きな理由です。
つまり。『住宅』という物質が変化するからではなく、『人』という生物の状況が変化するから住宅は寿命を迎えるわけです。ポイントは家に住む『人』の問題なんですよ。
人ってのはやっぱりスゴイ存在です。家を長持ちさせられるかどうか。それは『施工の質』ももちろん重要でしょうが、それ以上に重要なのが『住む人の質』です。
いかに自分の家に愛着を持ち、良質な管理を継続する事が出来るか。最大のポイントはここです。
家は『建てたら終わり』ではありません。そこから『継続した管理』という新たな戦いが待っています。しかしこの戦いは、結構面白い戦いだと思うんですよね。なんたって
『自分の家育成ゲーム』なわけですから。
色んな育成ゲームはありますが、リアルに『自分が住む家』を育成して、自分好みに成長させていくって、結構面白い戦いなのではないかと思うんですが、いかがでしょう?
昨日は不動産業界の集まりで久々に(大量の)お酒を呑み、二日酔いで朦朧としながらのブログでした。内容ぐちゃぐちゃでしたらすみません。
私自身の脳の経年劣化も、十分気を付けます!