空き家が順調に(?)増えてまして。国の方も結構真剣に対策を講じようとしています。
その内の大きなものとして、本日(令和6年7月1日)から『空き家等に係る媒介報酬規制の見直し』の法改正が施行されています。
空き家の仲介手数料の上限引き上げ、2024年7月1日から 国交省発表
ざっくり簡単に言えば『空き家(空き地も)を売却する時、不動産会社に支払う媒介(仲介)手数料が上がります』という話になります。
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一般の方からすると『えー!?色々な物価が上がっているのに、不動産屋に払う手数料も高くなるの?勘弁してよ!』と思われるかも知れません。
確かにそう思われる余地もあるんですが、それだけ空き家問題は『我々日本国民にとって』喫緊の課題だという事なんですよ。
今回の法改正のポイントを一つだけ挙げるとすれば、『不動産屋のモチベーションを上げて、少しでも空き家の流通を促進させる』という点にあります。
元々不動産屋というのは。
不動産取引の仲介を行う事によって『手数料』をいただくのが主たる『飯のタネ』になってます。しかし問題は、この手数料が『不動産の取引価格によって』上限額が決まっているという事です。
つまり。
不動産の取引価格が大きければ仲介手数料も沢山いただけて、不動産の取引価格が小さければ当然、仲介手数料も少ないという話になるんです。
ここであなたに質問です。
あなたがどこかでアルバイトをするとして、同じ仕事内容なのに一方は『時給1万円』で、もう一方は『時給1,000円』だとしたら、どちらで働きたいです?
仕事内容は全く同じです。条件は全て同じ。しかし、貰えるお金だけが全く違うんです。
こんな状況であれば当然『時給1万円』の方で働きたくて、時給1,000円の方で働くのは『バカバカしい』と思うのではないでしょうか?
これと同じ事が不動産業界でも行われているわけです。
不動産屋も『出来るだけ高い仕事を受けて、安い仕事は受けたくないなあ』と思って仕事しているって事です。
『事件に大きいも小さいもない!』と断言したのは恩田刑事ですが、それはドラマだからであって、実際にはやっぱり『事件に大きいも小さいも』あるんですよ。
人間だもの。ビジネスだもの。
と言う事で、今回の法改正は。
いわゆる『格安空き家』と呼ばれるような『小さい(価格が安い)案件』であっても、不動産屋が『それなりの手数料』を得られるようにして、空き家市場の流通を活発化させていこうという狙いがあるわけです。
実際、空き家の取引って大変ですからね。手間も掛かるしリスクもあるし、解決まで時間が掛かるケースが多くて難しい。
でも、そんなに大変なのに安い手数料しか貰えないという事で、不動産業界内での不満が大分溜まっていたのも事実なんです。
とまあ、ごちゃごちゃ書きましたが、とにかく我が国の『空き家問題解消』の為の施策です。謹んで受け止めていきましょう。
決して、弊社の受け取れる手数料が増える事を喜んでいるわけではありません。
空き家問題の改善と我が国の安寧。わ、私が考えているのは、ただそれだけです!