昨日と今日で、最近話題になっている『ちいかわ』を読みました。
1巻から8巻まで。一気に。
『ちいかわ』とは、小さくて、なんかかわいいキャラクターたちが、働いたり、ご飯を食べたり、ときには危険な目に遭ったりしながら、少し不穏な世界をサバイブしていく物語です(私的解釈)。
見た目は非常にかわいいのですが、読んでみると、実はかなり世知辛い。
労働しなければ生きていけませんし、報酬アップの為には「草むしり検定」などの資格取得も必須。結構難易度が高いので、真面目に勉強しないと受かりません。
一発高収入を狙う為に「討伐」という仕事を選ぶ事も出来るんですが、これは結構危険ですし、失敗すると報酬はゼロ。
「採取」という、一種の夜勤まであります。
そんな世界観の中で、私が特に気になっているキャラが「ハチワレ」です。
明るく、よく喋り、友達思い。
特別強いわけではないのですが、困ったことがあっても弱音を吐かず、いつも前向き。
そして今回は、そのハチワレの「家」の話です。
まず、この場面を見てください。

「引用:ナガノ『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』(講談社)」
ハチワレ(青い頭の方)が、友達のちいかわを初めて自宅に招いた場面です。
持ってきたお寿司が崩れてしまったので、それを混ぜて、お湯をかけて食べています。
そして、
「うまっ」
となる。
私は、この場面が非常に好きです。
なぜなら、ここにハチワレの「生き方」が全部出ているように思うからです。
ハチワレは洞窟に住んでいます。玄関扉なんてものはありません。
この世界でもそういったものはあるんですが、買うには相当のお金を貯めないといけないんです。
壁や床もむき出しで、テーブルは段ボール箱。
椅子やソファもなく、地べたに座っています。
住居として見ると、あまりに質素。
しかし、この家を見て私は「貧しい」とは感じないんですよ。
壁には飾り棚があります。
花瓶があり、花が生けてある。
照明もあります。
一方で、立派な家具家電などは一切ありません。でも、そこにはちゃんと「暮らし」が成立しています。
私はこの場面を見ると、なぜか「千利休の茶室」を思い起こしてしまいます。
・・・
もちろん、行ったことはありませんよ?
ただ、それでも茶室の本質というのは「立派な造りや高価な器」といった事にあるのではなく、「客をどう迎えるか」という「もてなしの心」にある。
ということくらいは知っています。
そう考えると。
ハチワレの家は非常に「茶室」に近いと思うのです。
全然立派な家ではない。
それでも、花があり、灯りがあり、お湯がある。
そして、ここで最も大事なポイントがあります。
それは、
家の主であるハチワレが、洞窟の「入口側」に座っている。
という事です!
これはどう考えても、
危険な入口側に自分を配置して、客の安全を守っている。
という事でしょう?
そして、これは後日の話ですが、実際に入ってくるんですよ。
こんなのが。

「引用:ナガノ『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』(講談社)」
しかしハチワレ、瞬時に動いて侵入者を制圧しています。
そして!
ちゃんと客と真逆の方向へ距離を取っている。
うーん・・・
こういう所にも出ていると思うんですよ。
「もてなしの心」が。
不動産屋として、今回の話をまとめます。
家というものは、新しければ良いというものでも、豪華なら良いというものでもありません。
花を一輪飾るだけでいい。
友達を呼んで、一緒にご飯を食べるだけでもいい。
そういう小さなことで、家は単なる「空間」から「住まい」になります。
中古住宅を扱う者として、ハチワレの洞窟を見るたびに思います。
家の価値は、豪華さや綺麗さだけでは決まりません。
そこで、どんな暮らしをするか。
もっと言うと。
どんな喜びを見出せるか。
結局は、そういうことが一番大切なのだと思っています。
・・・
ね?
ウラ?
ヤハ?
プルルルルルル!!!!
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