最近、安部龍太郎さんの『銀嶺のかなた』を読んでいます。ご存知、前田利家と、その嫡男・前田利長を中心に描いた小説ですね。
読んでいて改めて思いました。
前田利長、めちゃくちゃ優秀やん。
高岡に住んでいる私が言うと「地元びいき」に聞こえるかもしれません。
しかし経歴を見ると、なかなか華やかです。
若くして織田信長に近侍し、信長の娘・永姫と結婚。
父は前田利家。
信長、秀吉に仕え、前田慶次や蒲生氏郷、細川忠興といった有名どころの武将たちとも濃い交流がありました。
利長自身も賤ヶ岳の戦い、九州征伐、小田原征伐など歴戦を重ね、豊臣政権では利家の後任として五大老の一角となり、秀頼の傅役(後見人)にもなっています。
そして利長、というか前田家最大の危機が、徳川家康との対立でした。
家康は前田家に謀反の疑いをかけ、加賀征伐の構えを見せます。
ここで利長は、全面対立を選びませんでした。
母・芳春院を江戸へ送り、徳川との衝突を回避します。
「これは母親の功績だ」という人もいます。
もちろん芳春院の判断と覚悟は大きかったでしょう。
しかし仮に母親の発案だったとしても、それを前田家の方針として断行したのは当主・利長です。
武闘派の家臣たちを抑え、
「戦うべきではない」
と決めた。
そういうことができるのも、立派な統率力でしょう。
そして結果として関ヶ原後、前田家は加賀・能登・越中を合わせ約120万石。
徳川家に次いで全国最大の大名家となりました。
その後、44歳で隠居。
隠居後も実質的に前田家を支え続け、巨大な前田家をスムーズに次代へ繋ぎました。
さて。
ここからが本題です。
『信長の野望』における前田利長の能力値、やっぱり低すぎませんか?
現行の『信長の野望・新生』では、
統率64
武勇51
知略54
政務70
となっています。
おい、おい、おい、おい。
特に知略54って何!?
舐めんなよコーエー。
です。
では、利長と同時代の武将を見てみます。
例えば蒲生氏郷。
氏郷も信長に近侍しており、利長と同じ「信長の婿」という立場です。
九州征伐では実際に利長とともに岩石城を攻め、一日で陥落させています。
その氏郷が、
統率89
武勇85
知略82
政務85
なんです。
うーん、欲しいですね。
蒲生氏郷は当時から「武芸も政治も茶事もできる」という、ほぼ出木杉くん状態の男ですから、能力値が高いのは良く分かります。
しかし、それでも同じ信長の娘婿で、同じ戦場でも戦い、120万石の前田家を完成させた利長が、
64・51・54・70
って。
そりゃないでしょう?
差つけすぎでしょう?
こんな数字だと、誰も欲しがらないでしょう!?
ではここで、分かりやすい例としてもう一人と比較してみます。
上杉景勝です。
景勝も利長と同じく、偉大な先代(上杉謙信)の後を継ぎ、豊臣政権では五大老となり、約120万石の大大名になりました。
そして徳川家康と対立します。
ここまでは利長と似た状況です。
しかし景勝は家康と対立する道を進み、その結果、関ヶ原後には約120万石から30万石へ減封されました。
その景勝の能力値は、
統率80
武勇77
知略79
政務79
なんです。
景勝を低く評価するつもりはありませんよ?
御館の乱を勝ち抜き、上杉家を残した立派な武将です。
しかし、
景勝は120万石から30万石にダウン。
利長は家康との全面衝突を避け、最終的に120万石にアップ。
それなのに、
景勝・知略79。
利長・知略54。
って!そりゃないでしょ!?利長はしっかり数字で結果出しとるやん!!
・・・ふう。
私は『信長の野望』を戦争ゲームだとは思っていません。
あれは経営ゲームです。
領地を治める。
人を使う。
金を回す。
外交する。
戦う。
時に、戦わない。
戦国大名とは、巨大組織の経営者です。
そう考えれば、前田利長は明らかに名経営者でしょう。
派手な大勝利はないかもしれません。
しかし、大敗もまた、ない。
加賀を治め、越中を治め、高岡を開き、前田家を潰さず、むしろ最大化して次代へ渡した。
十分すごいでしょう?
そこで、勝手ながら次回作に向けて提案します。
前田利長の能力値は、
統率80
武勇72
知略84
政務90
この辺りが妥当だと思います。
統率80。
巨大な前田家臣団をまとめ、戦う時と戦わない時を統制した。
武勇72。
突出した武勇伝こそないものの、実戦経験は十分。
知略84。
信長、秀吉、家康という権力者が入れ替わる時代を読み切り、前田家を存続させた。
政務90。
加賀・能登・越中を治め、高岡を開き、120万石の前田家をスムーズに次代へ渡した。
ね?
前田利長は、戦争の天才ではありません。
しかし、
経営の達人。
です。
コーエーテクモゲームスさん。
次回作では、ぜひ上記数値にて設定をお願いします。
利長を舐めないでいただきたい。
富山県民を敵に回してしまいますよ?
もうそろそろ不当な低評価は、断ち切ってください!
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