本日、衝撃的なニュースが飛び込んできました。
2043年、日本の住宅の約4軒に1軒が空き家になる見通しとのことです。ちなみに現在は「約7軒に1軒が空き家」なので、その悪化率たるや相当のものです。
これを受けて国は、「新築偏重から中古住宅活用へ」という方向性を打ち出し始めているとの事。
これまで断熱・省エネ性能の高い新築住宅に向けていた補助金などの支援を、今後は中古住宅活用へ重点的に振り向けるべき、という議論です。
確かにその通りだと思います。
人口が減っているのに、新築住宅ばかりを奨励するような事を続けていれば、中古住宅の活用が進まず、空き家が増えるのは”当ったり前の話”だからです。
しかし。
実際に中古住宅の現場にいる立場として、私は少し違和感も感じています。
現在の議論は、どうしても、
「性能の良い中古住宅(だけ)を流通させよう」
という方向に偏りすぎているように思うのです。
もちろん性能は大切ですよ?
耐震性も、省エネ性能も、断熱性能も、あった方が良いに決まっています。
しかし、現実の中古住宅市場というのは、そんな綺麗な話ばかりではありません。
少し寒い。
少し汚い。
少し歪んでいる。
でも、
立地が良い。
価格が安い。
実家に近い。
何より、
普通に暮らせる。
そんな住宅は、日本中に数え切れないほど存在しています。
そして実際、多くの方は「性能」で中古住宅を選んでいるわけではありません。
もし性能を最優先するなら、新築を選ぶでしょう。
中古住宅を選ぶ方は、
「肌感覚」
で考えています。
例えば。
中古住宅であっても、
・間取りが丁度いい
・収納スペースが多い
・なんか居心地が良い
そう感じる家はたくさんあります。
完璧ではないかもしれない。数値も現行基準をクリアしないかもしれない。
でも、コスパ良く、十二分に快適に暮らす事が出来る。
中古住宅とは、本来そういう世界です。
しかし今の制度は、どうしても「数値だけで」整理しようとします。
耐震等級。
断熱等級。
省エネ基準。
そして、それらを満たしたものだけを「良い中古住宅」として扱おうとする。
これは一見、正しいように見えます。
ですが、私はそこにかなりの危険性を感じています。
なぜなら、そこにこだわり過ぎると、
「普通に住める中古住宅」まで流通しにくくなってしまうからです。
これは本当に恐ろしいポイントです。
補助金というのは、支援であると同時に「上からのコントロール」でもあります。
つまり、
「この基準を満たしたもの(だけ)が正しい」
という空気を作ります。すると、
補助対象外=ダメな中古住宅
という見方が広がってしまう。
もちろん、「何でもあり」にしろと言いたいわけではありません。
危険な建物まで無制限に活用すべきだとは思いません。
ですが、
「現実社会の中で、今、目の前にある住宅をどうするか」
という視点は、もっと大切にされるべきではないでしょうか。
空き家問題というのは、単なる「統計上の数字」だけの話ではありません。
「肌感覚」の話でもあるんですよ。
現実としてそこに家があり、
かつて人が暮らし、
今もなお、次へ巡る可能性を持っている。
そんな住宅が、日本中に存在しています。
私は、中古住宅というのは、
完璧なものを目指す市場ではなく、
「現実の中で、次へ巡らせていく市場」
だと思っています。
最後に、端的に申し上げます。
補助金を出すことよりも。
まずは、
今そこにある住宅を、
現実的に活かしやすい社会にして欲しい。
私はそう思っています。
市街化調整区域だから。
既存不適格だから。
耐震基準を満たしてないから。
そういった理由だけで、
普通に住める住宅まで過度に流通しづらくしてしまってないでしょうか?
そういった”厳しすぎる規制”こそが大いに空き家問題を助長している。
ように私は感じています。
・・・
でもまあ、
私が何を言っても仕方ありません。
私は変わらず、目の前にある住宅を、
一軒一軒整え、巡らせていきます。
その小さな積み重ねこそが、
空き家問題を和らげていく、
確かな道と信じてますので。
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