「石を投げたら詐欺師に当たるような業界だった。」
これは私の言葉ではありません。
「バンクハザードにようこそ」という小説の中で、元・不動産屋で現・司法書士という主人公が言い放った一言です。
この本、タイトルどおり銀行の不祥事がテーマ。
そして先日ご紹介した生命保険会社の大型不祥事ともあわせて、まさに“四賤業”が揃い踏みという状況です。
さて、本題に戻ります。
その主人公が語った
「(不動産業界は)石を投げたら詐欺師に当たるような業界だった(だから辞めた)」
という発言。
不動産に携わる者として、まず襟を正すべき言葉です。
とはいえ──
本当に詐欺師だらけなのか?
と問われれば、18年間この業界にいる私からすれば、胸を張って「そんなことはない」と言えます。
ただし“一部には確実にいる”のも事実。
しかしそれはどの業界でも同じ。人の集まるところには、必ずそういう人が紛れ込みます。
では、なぜ“不動産”は特に詐欺師が多いと言われるのか?
理由はシンプルで、しかし根深い。
■1 扱う金額が大きすぎる
危ない橋を渡る者ほど、“橋を渡る価値”を求めます。
100万円の詐欺をする者は少ないが、数千万円・数億円ともなれば別世界。
不動産は、その“別世界”の金額が当たり前のように動く。
■2 情報格差が途方もなく大きい
権利関係、法令制限、建築、税務、そして大量の書類……
「確認すべき事項」が山ほどあるうえ、それを理解するには高度な知識と観察力が必要です。
この不均衡によって、
「不動産の熟練者」と「そうじゃない人」の間に巨大な隙間
が生まれ、そこに“騙す余地”が出てしまう。
■3 “優秀な人”が多い
ここを聞いて驚く人も多いのですが、実際に色んな人と対峙してきて思います。
不動産業界の人は、段取りが速く、話が滑らかで、決断も早い。
これはビジネスでは武器ですが、悪用すれば凶器になる。
つまり、この業界は
「能力の高い人間」
が多いということ。
(もちろん私を除く)
■以上をまとめると
なぜ“不動産業界は石を投げたら詐欺師に当たる”と言われるのか?
答えはこの3点です。
①扱う金額が大きい
②情報格差が大きい
③優秀な人が多い
そして最後に。
「優秀なのに、なぜ詐欺をしてしまうのか?」
それは、
能力と倫理は、全く別物だからです。
そして倫理というものは、鍛えて身につく種類のものではありません。
だからこそ、
“誰と取引するか”が本当に重要になる。
では、相手の倫理観をどう見抜くのか?
これは“日常の細部”に必ず現れます。
が──話が長くなるので今回は控えます。
とにかく。
笑顔なのに目が笑っておらず、相手の話を聞いておらず、自分の話は流暢にできる人。
これは“詐欺師の素養アリ”。
本当に騙すかどうかは別として、才能があるのは確かです。
笑顔で相対しながら、裏では黒い頭脳がフル回転してますよ。
そんな相手に出会ったら、いつも以上に慎重に判断してください。
と、いうことで。
私も少し、
“自然な笑顔”の練習をしておきます。
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