前回、徳川家康の
「及ばざるは過ぎたるより勝れり」
という言葉をもとに、住宅選びについて書きました。
やりすぎるより、少し足りない方が良い。
これは家にもそのままあてはまる——という内容でした。
そのブログを読まれたお客様から、
とても印象的なメッセージをいただきました。
要約すると、
中古住宅を購入後、少しずつ手を入れながら
“自分たちの家になっていくのが嬉しい”——
というもの。
これを読んだ瞬間に私は思いました。
ああ、まさに「及ばざるは勝れり」の世界そのものだ、と。
■新築は「減点方式」になりやすい
新築を建てられた方が後悔される理由の多くは、
最初から理想を詰め込みすぎてしまう点にあります。
・間取りをA案かB案かで悩み抜く
・設備や仕様を“できるだけ良いモノ”で固める
・完璧なイメージを作り込む
するとどうなるか。
現実との“ほんのわずかな差”が、
途端に大きな不満に変わる。
「もっとこうすればよかった」
「やっぱりB案にすべきだったのかも」
これは、私が仕事柄、本当に多く聞いてきた言葉です。
完璧を追うほど、現実が減点に見えてしまう。
これが、新築の持つ“構造的な罠”。
■中古住宅は「加点方式」で育っていく
一方、中古住宅には“余白”があります。
それを“不完全”と言えばそれまでですが、
実際には 暮らし手が手を加えるための伸び代 です。
今回メッセージをくださったご家庭も、
玄関周りの手入れ、棚の付け替え、カーテンの変更……
小さな工夫が積み重なるたびに、
「これは、私たちの家なんだ」
という実感が強くなっている。
これはまさに、
家との共同作業 です。
中古住宅は、少し“足りない”。
だからこそ、手をかけたぶんだけ“自分たちらしく”育っていく。
ここに、
加点方式の幸福
が生まれます。
■家は、買って終わりではない
私は以前から、
「家は育てるものだ」と感じています。
最初から完璧を目指さなくていい。
というか、完璧を目指すから失敗することが多い。
家は、暮らしながら不便を整え、
自分の習慣や好みに合わせて育てていくもの。
そしてこの“育てる時間”こそが、
最も深い愛着の源になる。
今回いただいたメッセージは、
そのことを静かに証明していました。
■未来を照らす「不完全を愛する生き方」
世の中には、色んな“育成ゲーム”があります。
例えば、たまごっち。
私が大学生の頃(1996年)にも大ヒットしましたが、
またブームが来ているようです。
たまごっちの醍醐味といえば——
言うまでもなく “育てること” でしょう。
もし最初から完璧なたまごっちがいたら、
どう思いますか?
たぶん、愛着なんて湧きません。
不完全だから可愛い。
手がかかるからこそ楽しい。
家も同じです。
「完璧でなければ!」と自らにプレッシャーを掛けることなく、
少し不足のある家を、暮らしながら育てていく。
そのほうが、
長く、静かに、幸福が続きます。
以上。
家康に始まり、たまごっちで終わるという
なんとも不格好なブログになりましたが、
この“不格好さ”もまた味わいでしょう。
メッセージをくださったS様、
あらためて誠にありがとうございました。
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