小学校五年生の、ある秋の晩。
親に(強制的に)通わされていたソロバン教室からの帰り道。
真っ暗の寂しい夜道。
といいつつ、19時30分過ぎなので、今から思うと別にどうという事も無いフツーの夜です。
でも何故か、その日は月が
凄惨な程明るかったんですねえ。
子供心に何とも本当に恐ろしい夜でした。自転車を漕いでも漕いでも月が追いかけて来るんです。
日中は太陽があって明るいのに、夜は暗い。
当たり前の事なんですが、当時10歳の私はそこに
「生き死に」
という事を、何故かガツーンと感じてしまったのです。何でか知りませんが、その時の月を見て
「人はいつか、必ず死ぬんだなあ」
と思った事を、43歳の今でも、本当に鮮明に覚えています。そして、当時の私は少々アホだったので、こうも思ったものです。
「人間、どうせ死ぬ。」とすれば
勉強しても意味なくね?よっしゃ!ファミコンしよ!!
と・・・
今から思うとアホの極みなんですが、当時は本当にそう思ってたのでしゃーないです。
最近、いや、ここ30年近く。不況・不景気・右肩下がり
というワードばかりです。お客様と話していても
「将来が不安」
という言葉が多いです。確かに不安でしょう。私だって不安です。
でもねえ・・・
不安だからといって、余りに消極的・慎重・石橋叩きすぎになるのはどーかと思いますよ。だって、どんなに慎重になっても
どーせいつか死ぬんですよ?
家・住宅も永遠なものではありませんし、土地も地震や噴火、色んな災害で消えて無くなる可能性はゼロではありません。
何が正解なんて分かりませんが、私は結局「時間」だけが最後に残るのでは無いかと思っています。
「記憶」
と言ってもいいかも知れません。私は未だに、10歳の時に見た「凄惨な程の月の美しさ」とその時に感じた
「生と死」という記憶を鮮明に心に残してますし、多分死ぬまで忘れないでしょう。
何が正解か分かりませんし、確かに老後の事も勿論大事なんですが、私は
「今」
が一番大事だと思ってます。損得ではなく、
「今」を充実していきたいなあと、思った今日でした。
・・・。よく分かりましたね?ちょっと(かなり)呑みすぎました・・・