『あの土地いいなあ!欲しいなあ!!』という土地って無いですか?
例えばあなたの家の隣の土地。例えばあなたが住んでいる町内の空き地。
でも『売地』という看板も出てないし、どうしよう・・・?と言う事でご相談にいらっしゃる事は結構あります。
しかし弊社は『こうすれば良いですよ』というアドバイスはしますが、最近は『よっぽどの場合以外は』お引き受けしないようにしています。
何故か?大きく分けると以下の三つの理由が挙げられます。
①そもそも『売り物じゃない』ものを『売らせる』というのは至難の技であるから。
②買う側は買う側で勝手に『こんなもんでしょ』と安易に考えている事が多いから。
③非常に苦労が多い割に、不動産業者としての報酬が少ない(リスクも高い)から。
1から行きましょう。
まず、『売地になっていない』という事は、所有者は基本的に『売る気が無い』んです。もしかしたら『いつかは処分しないとなあ』と思っているかも知れません。そして、たまたまそのタイミングで声を掛けたら『じゃあ売ります』となるかも知れません。
しかし、そんな偶然は実際には中々無いんです。所有者は所有者で『何らかの理由があって』放置しているんですから、それを『手放させる』というのは非常に難しいのです。
2は、本日たまたま『都道府県地価調査』の結果が発表されてましたが、買う側としてはそういった『相場』を基に土地価格を計算します。
『この辺りは一坪10万円か。あの土地は80坪位だから800万円って事だな』みたいに。しかし、土地を売るのに『相場通りで売る』必要は全く無いんですよ。
所有者が『1600万円(相場の倍)じゃないと売らない』と言えば、買う側はその金額で買うしか無いんです(参考ブログ:『隣の土地は相場の倍だしても買え!は本当か?』)。
『相場と比べて高すぎるじゃないか!』という場合は、その土地を買わず、他の土地を買えば良いだけという事になります。
何を言いたいのかと言いますと。
『売買』というのは『売り手と買い手の都合』がマッチした時に成立するものですので、『買主側の都合』だけでは進まないという事なんです。ここは是非ご理解いただきたい所です。
加えて。
今回はこちらから『欲しい』と言ってるんですから、どう考えても所有者の方が有利です。あくまでも『譲って下さい』とお願いしている立場ですので、所有者に歩調を合わせた交渉になるのは仕方ないんです。
また、基本的に価格(値下げ)交渉も出来ません。何故なら所有者は元々『売る気が無い』からです。値下げしてまで売る必要性が無いんですよ。
3は、1と2から分かる通り、成功確率が低く、かなりの労力(所有者を調べて、説得して、金額調整して、手続きの段取りを組んで、トラブルなく売買を完了させる)が掛かる割に、報酬があんまり貰えないんです。
この理由としては、まず、そもそも不動産業者は売買の際『売主と買主、双方から仲介手数料をいただく』事を基本としているんですが、今回のような『別に売りたく無いんだけど売る』という場合、売主から仲介手数料をいただくのが結構しんどいんです。
また、買主としても『なんか、思っていた(相場)よりも高い買い物になってしまったな。それなのに不動産業者に手数料まで払わないといけないのか』みたいな雰囲気になる事が多いんです。
と言う事で。
不動産屋としては色々調べて、売主と買主の意向をまとめて、双方得するように調整し、散々苦労して成功させても、その仕事振りの割には『報われない』仕事になるわけです。
散々調査して、不成立になる可能性も高いですし。
と、ごちゃごちゃ書きましたが、とにかく『売地になっていない土地を買うのはめちゃくちゃ難しい』という事はご理解しておいていただければと思っております。
じゃあどうすればいいんだよう!?
となるんですが、不動産屋を通さず、ご自分で不動産所有者を探し、交渉して、売買契約を成立させるのに『資格』は要りません。
業(ぎょう=仕事)として行うのではなく『自分が住む家の為』にそのような行為を行うのは、法律に何ら違反する事では無いのです。
なので。
1.法務局で所有者を探し
2.所有者に接触して
3.土地を売る意思を固めて貰い
4.売買契約を交わして
5.所有権移転を行えば終了
です。こうすれば不動産屋に支払う『仲介手数料』も掛かりませんしね。
とりあえず、気になる土地があるのでしたら一度チャレンジしてみても良いかも知れません。
不動産屋の苦悩も、味わえるかも知れませんw